たからもの

今回は矢澤酒造店、矢澤社長のご友人お二人をご紹介します。荒川さんと安達さんです。中学、高校時代の同級生だそうです🏫

同級生、朋友、相棒・・・

矢澤社長について、お二人にお話していただきました。

下戸の荒川さんはいつもジンジャーエール

まず、荒川さんから。
「ボクは酒が飲めないけど、矢澤が「旨い」という酒は旨いはず。矢澤に教えてもらった料理、店は全部美味しいから、オレは矢澤の舌を信じている。」
荒川さんは私と共に、矢澤酒造店のイベントの際、社長のお手伝いをしています。また、矢澤酒造店のHPも手掛けています。昨年から、矢澤酒造店のHPの立ち上がりが早くなっているのをお気付きでしょうか。荒川さんのおかげです♥

眠っているわけではありません、思案中

次は、安達さんです。
「矢澤は中学の頃から何事も本気でやる人で、手を抜いているところを見たことがない。痛いとか、辛いとか弱音を聞いたこともない。成熟していて特異な存在だった。中途半端なことをする人ではないので、蔵を継ぐと聞いた時、ビックリした。根詰めしないで欲しい、と思ってます。」
安達さんは、矢澤酒造店のお酒のラベルをいくつかデザインしています。矢澤酒造店のノボリや営業車、王冠などにある「矢」のマークも安達さんのデザインです✨


社長のたからものであるお二人のご紹介でした。安達さんの社長についてのコメント「根詰めしないで欲しい。」の言葉は私も同感です。社長は止まると死んでしまうマグロのように、いつも動き回っているので心配です。お身体には十分気を付けてください。荒川さん、安達さんと共に私も「南郷ファンの代表」として応援しています❗

「優秀な醸造技術者」の一人

北区にある旧醸造試験所第一工場でイベントがあると知り、行ってみました。通常非公開の工場内部の見学が出来るとのこと。見学は10:30と14:00の2回のみ。いずれも9:30~と13:00~整理券を配布。定員は各20名。競争率が高そうです。平日よりも早起きし、8:30過ぎに到着したところ、一番乗りでした😄 その直後、続々と人が集まり見学出来ない方も多数いらっしゃいました。整理券配布場所は「矢部規矩治博士銅像前」です。と言っても「矢部規矩治博士」がどのような方か、私は知りませんでした。江戸時代まで経験と勘で作られていた日本酒ですが、明治になって科学的になり、清酒酵母を発見したのが「矢部規矩治博士」だそうです。

銅像前は日陰で、整理券が配られるまでの1時間の待ち時間はとても寒かったです


「酒蔵」というと木造というか和風の造りのイメージですが、旧醸造試験所はドイツ留学経験がある「妻木頼黄」という方が設計したため、ビール工場を参考にしたレンガ造りでした。

横浜の赤レンガ倉庫などを設計した方だそうです


地下の貯蔵庫には、2005年から始まった「日本酒百年貯蔵プロジェクト」という事業の有志である酒蔵のお酒が保管されていました。各蔵10本ずつ保管し、10年毎に1本開栓し、お酒を分析するのだそうです。

次回の開栓、分析は2025年です。(10本のうち、2本目)


現在、北区にある建物は「旧醸造試験所」です。醸造試験所としての機能は平成7年に広島県に移転。矢澤社長も酒蔵を継ぐ際、広島で短期研修を受けたそうです。試験所の目的は「清酒醸造方法の改良、醸造講習など」で、その成果が「優秀な醸造技術者の育成」とのこと。社長もこの中のお一人ですね❗ 以前、矢祭町の酒蔵に伺った時、何やら難しそうなお酒の本があったのを思い出しました。酒蔵を継いだ後も勉強の日々。この冬も美味しいお酒を造ってください。応援しています✊

仕込みタンクを見ると、矢澤酒造店見学を思い出します

酒粕スイーツ

美味しい酒粕が入手しやすい季節になりました。以前は酒粕の用途が分かりませんでしたが、矢澤酒造店のファンになってからは失敗を恐れず、色々チャレンジしています😄


酒粕を使用したケーキです。「まるでチーズケーキのよう」と料理サイトには書いてありましたが、チーズの香りは感じませんでした。食感はチーズケーキのようでした。



通常、フレンチトーストは牛乳、卵、砂糖に漬け込みますが、こちらは酒粕で作った甘酒と卵に漬け込みました。ハチミツの代わりに黒蜜をかけていただきました。一口噛むと甘酒の味わいが広がり、じゅわ~とした食感が和風サバランといったところでしょうか。



クリームチーズと酒粕を使用したレアチーズケーキ。自分で摘んだブルーベリーで作ったソースを添えて。加熱していない分、酒粕の香りを楽しめます。



粉の10%を酒粕で代用して、マドレーヌを作りました。酒粕の割合が少ないのか、風味は感じませんでした。酒粕効果か分かりませんが、しっとりした口触りの良いマドレーヌに仕上がりました。


皆さんも料理サイトを参考にチャレンジしてみてください❗

ただいま発酵中

朝、8時過ぎに矢澤酒造店の仕込み室の扉を開けると、あ~、いい香り。バナナを思わせる香りです。人工的な香料のバナナとは違い、嫌味のない上品な香りが漂っています🍌

タンクを覗くと、ぷつぷつ、ふつふつ、ポコッと小さな音が聞こえてきます。酵母が糖を食べ、アルコールと二酸化炭素に変化します。タンクの中にある泡の正体は、この二酸化炭素で、お酒が元気に育っている証拠。動画は仕込み10日目の普通酒の醪の様子です。小さい泡の音の他に全体的に小川のせせらぎのような音が聞こえます。耳を澄ますと、細かい発酵音も聞こえると思います。泡はその場でぷつぷつしているだけでなく、タンク全体の中で大きく半時計回りにゆっくりうねるように動いていました。


社長が櫂入れをします。櫂入れは醪の温度を平均化する、発酵に必要な空気を入れるなどのために行います。空気が入った途端、「わーい、わーい、遊んで~!」と言ってはしゃいでいるように泡が活発に動きます。音も「さわ~」、「しゃわわわ~」と活発になります。櫂入れが終わると、「あ~、楽しかった~」と言いながら遊び疲れてお昼寝してしまう子供のように静かに戻ります。動画に音声はありませんが、醪が活発に動いている様子がお分かりいただけると思います。


泡の状態を見て発酵具合を確認。その他にもアルコール度数などを実際に計測して、お酒の状態を分析します🔍


撮影後も、醪は順調に発酵が進んでるそうです。美味しいお酒が完成するのが待ち遠しいです。仕込みのお忙しい時期に、発酵音の録音をするという機会を作ってくださった矢澤社長と蔵の皆様に感謝します。

新商品「月と虹」

福島県矢祭町の「矢澤酒造店」では、新商品「月と虹」を12月から発売しています。
兵庫県産山田錦100%、福島県酵母を使用した大吟醸酒です✨✨


うれしそうな矢澤社長です。それもそのはず、「月と虹」のラベルが完成した時の写真です。社長が自信を持って造った大吟醸酒。その顔となるラベルをデザインしたのは社長のご友人、安達さんです。「純米大吟醸 白孔雀」のデザイナーでもあります。


ラベルの原案を持つ安達さん。完成までに一年近くかかったそうです。


ラベルについて、安達さんにお話を伺いました。
満月の周りに暈(かさ)があわられる現象は、幸運の兆しと言われています。雲を形成する氷晶がプリズムとして働き、リングを纏ったように見えて、とても幻想的です。

このリングが、時に鮮やかなグラデーションをなしていることがあり、まるで虹のように月の周りを彩ります。本来虹は光源の反対側にあらわれるため同時に見ることはできませんが、月と、暈が織りなす虹のような美しさを、『月と虹』としてラベルに表現させました。

この銘酒が持つ華やかな香り、透き通った甘い味わいに、満ちた月と幸運をもたらす虹を重ねて感じて頂けたら幸いです。


お酒を造った社長の思いと、ラベルをデザインした安達さんの思いが、うまく折り重なった商品なのですね。細部まで手描きで、箔押しが美しいラベルです。ぜひ、実物を手に取り、お酒とラベルをお楽しみください🎵

ラベルひとつについても、談論風発。お二人の話を伺っていると、今後も安達さんがデザインのラベルが増えるようです。楽しみです🌈

美味しいお酒が出来ました

矢澤酒造店の杉玉が新調されたそうです。杉玉は「新しいお酒が出来ましたよ~❗」と、お客様にお知らせするものです。


仕込みの前半、今年は4本のタンクを仕込み、しぼったそうです。お酒造りはまだまだ続きます。


美味しく出来上がった「新玉の酒」が発売になりました。季節の移り変わりと同時にお酒の熟成度が分かる杉玉。緑の時は「新酒」、色が薄くなる頃は「夏酒」、茶色くなると「ひやおろし」。それぞれの季節のお酒を楽しみたいですね🎵

滝川渓谷

前夜、矢祭の空は雲一つなく、星が無数に輝いていました🌠 その影響か今朝は寒く、吐く息が白いです。

矢澤酒造店の軽トラックに霜がおりていました


蔵でも氷が張っていました。

厚い氷に感じましたが、実際は1ミリ程度でした

昨日は矢澤酒造店を見学後、矢祭に宿泊し、今日は矢澤社長がお忙しい中、矢祭を案内してくださいました。

まずは、酒蔵から車で5分ほどの場所にある「酒のしのだ」さん。社長に気が付いた女性店員3名は「あら~♥」、「まぁ~♥」と笑顔で迎えてくださいました。「黄色い声」とまではいきませんが、「あら~」や「まぁ~」の後ろに本当にハートマークがあるような声です。社長が地元の酒屋さんに愛されていることが分かり、嬉しかったです🎵

お店に入り、一番目立つ場所に「南郷」
豊富な品揃えです
新聞記事も紹介されています

「酒のしのだ」さんは日本一、世界一、宇宙一、「南郷」のお酒を取り扱ってくださっているお店でした✨✌

「酒のしのだ」さんで買い物した後は、茨城県との県境に近い滝川渓谷へ🍁 滝川渓谷は3キロにわたり大小さまざまな滝があり、その滝に沿って散策路があります。国道349号近くの第一駐車場から頂上まで、歩いて1時間ちょっとです。

水は透明ですが、魚は見当たりませんでした

今日の散策は社長のご友人も一緒です🍒

モデル立ちの社長

散策路の幅は1メートルほどで広くはありませんが、全体的に歩きやすい道です。

一ヶ所だけ鎖場がありました

今回は紅葉の終わりの季節でしたが、新緑の季節も気持ち良さそうです。滝を見下ろしたり、見上げたり、変化に富む散策路が続きます。

散策路を歩くと落ち葉がカサカサ音を立てて、楽しかったです

社長は「酒蔵で仕事するようになり筋肉がついた」と仰っている通り、体力があり、息を切らすことなく元気にスタスタと登っていきます。(普段も歩くのが早いですね)

頂上には「滝川の里」という茶屋があります。お蕎麦が有名なようですが、野菜たっぷりのけんちんうどんも美味しかったです。

お蕎麦とけんちん汁のセットもありました

滝川渓谷は酒蔵見学と共に楽しめる観光スポットです😄
社長は「コートを東京に忘れた」と仰って、少し薄着だったのが心配です。お身体に気を付けて、お酒造りを続けてください。東京から応援しています❗

矢澤酒造店訪問

福島県矢祭町の矢澤酒造店を訪問し、午後の作業を見学させていただきました。
蔵の事務所のガラスはいつもピッカピカで気持ち良いです✨✨

毎朝、当番でガラスを磨いているそうです


杜氏さんが櫂入れをしていました。

長い櫂を扱うのは難しそう


櫂入れが終わると、社長と杜氏さんがそれぞれのタンクを回り、温度計測などしています。

言葉は交わしません。あうんの呼吸です


こちらはヤブタ。お酒をしぼるこの機械を「ヤブタ」というものだと思っていました。正確には藪田産業株式会社の「藪田式自動醪搾機」という機械でした。(余談ですが、私たちが普段「タッパー」と言っている「タッパーウェア」は「タッパー」を作ったアメリカ人の「アール・S・タッパー」さんが名前の由来です💡)

2019年12月現在、藪田産業株式会社の社長は薮田亘康氏
現在は分解されているヤブタ。しぼりに向け、組み立てます

私が訪問した日は、お酒のしぼりに向け、ヤブタの清掃をしていました。「ろ布」と呼ばれる袋を持たせていただきましたが、1枚でも重かったです。お酒をしぼった後の板粕についている模様は、この「ろ布」の目地です。

「ろ布」を何枚も何枚も洗浄し、最後は漬けおき洗い。

ヤブタは「ろ布」以外にも大きい部品、小さい部品などに分かれていて、それぞれを丁寧に洗浄します。

左から副杜氏、杜氏、社長


蔵ではお酒の仕込みの他に、洗浄など清掃作業が多いとのこと。厚手のゴム手袋をしているとはいえ、長時間の水仕事は体の芯から冷えそうです。



体を動かしながら水を使う作業の他、じっと座ったままのラベル張りも寒そうでした。

寒い中、手先を使う細かい作業は難しそうです


矢澤酒造店の事務所にはストーブ、休憩室には炬燵が出ていました。

この日の蔵の中は8.5度

11月から始まったお酒造りは順調に進んでいるそうです。これからもっと寒くなります。社長をはじめ、蔵人の方々、風邪を引かないように❗東京から応援しています👊😄

初添え

あまり渋滞しないイメージがある東北道ですが、紅葉の季節のためか渋滞🚗🚗🚗⚡ 予定を少し遅れて福島に到着しました。

トライブ中の車窓からは頂上に雪が積もっている磐梯山が。晴れているのですが、風が吹くと真冬のような寒さでした。



矢祭町がある県南の紅葉も進んいました🍁


夜はお酒を呑んでいる矢澤社長にお会いすることが出来ました。
前回お会いしたのは数週間前です。その間にますますお肌の透明感が増していました✨ 矢祭に住んでから「すっかり早寝早起きになったよ。」と笑顔です😄


現在、蔵では「南郷 普通酒」の仕込み中。今年の酒米は溶けにくいとの情報を基に、吸水率をアップさせるなど調整して、良好な麹・酒母が出来上がったそうです。明日はいよいよ初添え。初添えの時は、蔵人たちと蔵内の神棚にお参りをする習慣があるとのこと。そのようなお話を伺うと、日本酒がぐっと神聖なものに感じます。


いつもお上品な社長ですが、コップ酒も意外と似合っています。コップの中身はもちろん「南郷」のお酒。楽しそうですが、明朝は5時起床予定だとか。それでも「お酒造りを辛いと思ったことは無いね~」と相変わらず笑顔でした😄


東京でも矢祭でもお忙しい社長ですが、夏の間、社長と共に営業活動をしたノボリはサッパリ洗濯され、のんびり風に吹かれています。後はきれいにアイロンをかけ完了。社長の蔵での仕込み作業を応援しつつ、次の出番を心待ちにしているようです🎵


(おまけ)
新橋の「ピアシス」では、南郷のお酒の種類が増えていました。「南郷 普通酒」です。レトロなデザインのお酒(180ml)をお燗でいただき、心も体も温まりました🍶

矢祭町散策

常磐道那珂ICを下りて、福島県に入ると民家の庭先や、山の中腹にある柿の木がたくさんの実をつけていました。遠くにあると紅葉の一部のようできれいです。たわわになっている実を見ると、うれしくなってしまうのは私だけでしょうか・・・

お酒の仕込みのため矢祭町の蔵に籠ってから、まだ日が浅いのに矢澤社長のお肌は透明感が増し✨、色白になって✨(羨ましい😄)、すっかり東北の人になっていました。

福島県最南端の町である矢祭町ですが、さすがに東京より寒かったです。社長は「朝晩は寒いけど、日中は汗ばむ。」と仰っていました。やはり蔵の仕事は重労働なのでしょう。(それともただの暑がり❔)

午前9時で7度です。


矢澤酒造店があるのは国道349号、町のメインストリートで大型車の往来も多いです。が、矢祭町全体は自然たっぷりの町です🍀

滝川渓谷付近からの眺め


田んぼではテントのような形に、稲が干してありました。昔話に出てきそうな、のどかな風景です。

349から少し横に入ると田んぼもあります


空ではトビが尾羽を使いおーきくグールグル回り、風に乗ってのーんびり、気持ち良さそうに飛んでいました。人間に例えたら、通勤でもなく、買い物でもなく、気の向くまま近所をブーラブラしている感じなのでしょうか。

矢祭山上空


構図は良かったのですが、かわいい1両列車はボケてしまいました。紅葉が始まっています🍁

コンパクトカメラで撮影


台風の影響で運休していた水郡線は11月1日から、運転再開しています。

一眼レフで撮影


夕方になると一気に寒くなります。矢澤酒造店の事務所では、まだストーブは使用していないようでした。

事務所の前の花々は、賑やかな女性蔵人たちを連想させます


我が家に貯まった空き瓶をリサイクルしてもらうため、持参しました。

今回はほとんどが300ml瓶


帰りには蔵の仕込み水をいただきました。この水について、社長から「久慈川の伏流水。ダムが無いから、よどみなくフレッシュなわき水が流れてくるんだよ。ミネラル分が少ない軟水で、口に含むとトロリとしているのが特長。サラリではなく、トロリなんだよ。」と教えていただきました。

確かに「トロリ」を感じました


蔵の仕事が終わる時刻。空には星のように小さな三日月と飛行機雲が。一日お疲れさまでした。お酒の仕込みは始まったばかりです。これからも頑張ってください❗

空気が澄んでいることを感じます


(お知らせ)
12月20日(金)、「日本橋ふくしま館 ミデッテ」で試飲販売会を開催予定です。詳細が決まりましたら、再度お知らせします。